このページは、出雲市議会議員 湯淺啓史(ゆあさけいじ)ウェブサイトの過去記事アーカイブです。
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出雲市の公共施設についてのあり方が、平成26年度3月議会に示されました。

これまで、出雲市では平成25年より行財政改革審議会を設置し公共施設のあり方を検討され、出雲市行財政改革大綱(2014年4月)および出雲市行財政改革 第1期実施計画(2014年4月)が大きな方針として示されてきました。
議会では、平成25年度から行財政改革特別委員会が設置され、検討対象となっている施設の実地検分や各施設のデータを元に64施設について具体的な見直しを求める報告を行うなどの取り組みを行ってきました。

これらの検討を元に、出雲市の公共施設のうち見直し対象となっていた203施設について、廃止又は使用中止/民間譲渡/地元移譲/管理改善/用途変更など、各施設の具体的な方針を盛り込んだ指針が作成され、議会に提示されました。

今後、この指針に基づき関係者や地元への説明が行われる予定です。
出雲市では、公共施設を用途変更する場合や廃止する場合などは、地域協議会の了承を得ることが定められており、新年度(H27年度)から、行政改革部および各施設を所轄する担当課が、方針(考え方)の説明を行うこととなります。

以下、「出雲市の公共施設のあり方指針」を要約し掲載します。
なお、全文をPDFファイルにてご覧いただけます。

出雲市の公共施設のあり方指針

検討対象施設

出雲市では、約800の施設を保有していますが、この内、学校施設や住宅施設等のように個別に再編や長寿命化等を検討している施設区分や法律により設置について規定にされている施設区分(下記の施設区分)を除いた203施設を対象に検討することとしました。

【検討対象外施設区分】

○学校教育関連施設 ○庁舎及びコミュニティセンター ○消防施設 ○下水道施設 ○都市公園 ○公営住宅等 ○地方公営企業法全部適用の施設 ○バス停等交通政策関連施設 ○揚排水機場等農地関連施設 ○公衆トイレ等小規模施設 ○斎場・エネセン・環境センター 等

出雲市の公共施設のあり方検討

(1)「今後の公共施設のあり方について(平成24年9月市議会)」の基本的な方針

  1. 特定の利用者(受益者)のみが利用する施設については、基本的に利用者(受益者)に移譲を検討
  2. 民間で同種の施設が運営されているものについては、基本的に民間移譲又は廃止を検討
  3. 同一施設群の中で利用者の少ない施設については、地域性を考慮しつつ存続意義を検討
  4. 同種の施設で利用料金体系が異なる施設については、料金体系の統一を検討
  5. 耐震補強等大規模改修費が5年以内に補助金を除く一般財源ベースで概ね1億円以上見込まれる施設については、地域性及び施設の特性を考慮しつつ存続意義を検討
  6. 見直し対象となった施設の移譲等は、斐川町分を含む普通交付税の合併算定替が終了する平成34年度までに実施することを目標とする

(2)出雲市行財政改革大綱

  1. 存続、統廃合・譲渡を検討・決定するための基準「ものさし」の設定
    ○公共性や採算性、類似性及び地域性等を判断材料とした、数値化・可視化の推進
  2. 施設の統廃合等○類似施設の統廃合及び用途変更・多用途使用
    ○特定の利用者の用に供する施設の譲渡及び貸与○民間で同様の施設が運営されている施設の譲渡・廃止
  3. 公共施設の適正配置○ライフサイクルコストを考慮した新規施設整備計画の検討
    ○耐震補強等を除く既存施設の大規模改修の見直し○利用率や地域性を考慮した配置
  4. スピード感を持った見直しの推進
    ○存続・統廃合等、施設ごとの見直し案の早期決定○丁寧な説明を行ったうえでの決断力とスピード感を持った実施○類似施設の管理は、所管課の集約を検討

公共施設の検討視点

(1)公共施設のサービス

公共の施設として必要なサービス「主として行政が提供する必要があるサービス」、「市民生活に必要な基礎的なサービス」を提供するための施設は、今後とも維持管理していく必要があります。一方、民間でも同様なサービスが提供され、競合する施設に関しては、「民間でできるものは民間で」の趣旨から、民間事業者への譲渡も検討します。

(2)施設の安全性の確保

高度成長期に建設され、それ以後大規模改修等をしないままの施設や耐震性に問題のある施設もあります。
施設の安全性の視点からの検討をしていきます。

施設選別の方針

(1)廃止又は使用中止の対象施設

  1. 耐震性、安全性等に問題があり、耐用年数の状況からも今後の長期使用が見込めない施設(耐震診断を実施済み施設)。
  2. 老朽化により安全性等に問題があり、耐用年数の状況からも今後の長期使用が見込めない施設(耐震診断は未実施施設)。
  3. 施設規模に対し使用者数、使用件数が少なく、かつ近隣に類似施設がある施設④現在、使用を中止している施設。

(2)民間譲渡の対象施設

  1. 民間でも同種のサービスを提供している施設
  2. 安定的な収入があり、民間での運営が可能な施設
  3. 特定の使用目的の施設で、管理者が限定的な施設

(3)地元移譲の対象施設

  1. 主たる使用者及び対象地域が限定的な施設

(4)管理改善の対象施設

  1. 維持管理費に占める一般財源所要額の割合が高く、収支改善が必要な施設
  2. 管理方法の見直しを必要とする施設
  3. 事業推進のため、施設及び事業のあり方を検討する施設

(5)用途変更の対象施設

  1. 施設の使用用途の変更を検討する施設

取組にあたって

公共施設の統廃合や譲渡等による保有施設数の削減は、出雲市の行財政改革の大きな柱の一つです。従来から、地域に根差し、活用されてきている施設ですが、施設の老朽化や時代のニーズの変容により、利活用状況が変化してきており、施設を見直す大きな転換期に入っています。
財政面で次世代の若者に高負担を強いることがないよう、将来に向けた出雲市の施設のあり方を検証し、決断力とスピード感をもって見直しを行います。
統廃合等見直しを行うにあたっては、
○地域協議会をはじめとする関係者への説明及び理解の構築
○施設整備時に活用した国等からの補助金等の整理
○施設管理において指定管理者制度のあり方の検討及び指定管理者の取扱い等、多くの対応も必要です。

そして、施設の統廃合や譲渡等見直しの推進にあたっては、市民の皆さんの理解と協力が必要であると考えています。

出雲市公共施設のあり方指針-2015年3月

出雲市公共施設のあり方指針

出雲市公共施設のあり方指針(PDF)

目 次

Ⅰ.はじめに
Ⅱ.公共施設の適量化に向けた検討について
1.地方自治法及び国の方針
(1)地方自治法第244条第1項の規定
(2)民間と競合する公共施設の改革について
2.検討対象施設
3.出雲市の公共施設のあり方検討
(1)「今後の公共施設のあり方について」の基本的な方針
(2)出雲市行財政改革大綱
(3)公共施設の評価
4.公共施設の検討視点
(1)公共施設のサービス
(2)施設の安全性の確保
5.施設選別の方針
(1)廃止又は使用中止の対象施設
(2)民間譲渡の対象施設
(3)地元移譲の対象施設
(4)管理改善の対象施設
(5)用途変更の対象施設
6.取組にあたって
Ⅲ.施設区分毎の取組方針
1.市民文化系施設
2.社会教育系施設
3.スポーツ・レクリエーション施設
4.産業振興施設
5.子育て支援施設
6.保健・福祉施設
7.公園
8.環境衛生施設
9.その他

【資料】
1.施設評価一覧 ・・・資料1
2.地域別施設の状況 ・・・資料2