このページは、出雲市議会議員 湯淺啓史(ゆあさけいじ)ウェブサイトの過去記事アーカイブです。
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出雲市議会 平成27年度第3回議会(9月議会)では、一般質問が、平成27年(2015)9月3日(木)・4日(金)・7日(月)の3日間行われ、湯浅啓史6月7日(月)に2つの項目について質問を行いました。

このページは、出雲科学館の活用についての内容です。
この日の一般質問回答を含む議事録全文(PDFファイル)はこちらをご参照ください。

2015年9月議会一般質問:湯浅啓史

質問項目

  1. 出雲科学館の有効活用について
    1. 出雲科学館の利用実績
       ・学校教育利用および一般利用
    2. 産業科学技術の学習・啓発事業および科学技術知識の普及啓発事業の実績
    3. 夜間利用に対する要望

質問事項:「出雲科学館の活用について」

次の質問は、科学館の活用についてです。
これも、先ほどちょっとアイデアとして触れさせていただいたようなことも含めて、もう少し突っ込んで科学館というものを活用できないかということです。
先ほど質問いたしましたキャリア教育を、出雲科学館を舞台に、例えば、キャリアアップというものにつなげる取り組みに活用できないか。図書館が住民の生涯教育に役立っていると同様に、出雲科学館がキャリアアップの拠点となるような活用、そういった視点からの質問です。

出雲科学館は、平成14年(2002)の開館以来、主に小・中学校の児童・生徒の理科学教育に活発に利用されていることは理解しており、また大いに評価をしている一人です。
それは、今年度の出雲科学館理科学習計画や、各月のイベントカレンダーなどなど、確認いたしますと大変な利用がされているということが確認できます。十分に把握しているものというふうには思っています。
しかしながら、事業の対象が小・中学校の児童・生徒に限られているような感じがいたします。
私は、もう少し高校生以上、一般人が使える場所にすべきだと考えます。
この場合、訪れる場所ということではなくて、一歩踏み込んで、使える場所とすべきと思っています。なぜならば、出雲科学館の設置及び管理に関する条例の中で、その目的、第1条ですけれども、「小・中学校児童・生徒の理科学習の充実及び高度化を図るとともに、広く市民の間で科学技術の普及・啓発を促し、もって活力と創造性豊かな21世紀出雲の発展に資することを目的にする」というふうに書いてあります。
また、第3条の事業の中では、科学館は次の事業を行うということの中に、6項目ほど掲げてありますが、主に小・中学生の事柄以外のことという部分で、4番目に、産業科学技術の学習・啓発事業。5番目に、科学技術知識の普及・啓発事業とうたわれています。

そこで、出雲科学館の有効活用について、以下の質問をいたします。
出雲科学館の利用実績、学校教育利用及び一般利用について、これは端的にお答えいただきたいと思います。
そして、先ほど申しあげました事業の4番目と5番目とご紹介いたしました産業技術の学習・啓発事業、そして科学技術知識の普及・啓発事業、これの実績をお答えいただきたいと思います。
そして、さらに夜間利用に関する要望というものが寄せられていないのかどうか、このことについてお答えいただきますよう、よろしくお願いいたします。

槇野教育長

それでは、ただいまの出雲科学館に関するご質問にお答えをいたします。

出雲科学館の利用実績

まず、1点目ですが、出雲科学館の利用実績ということで、学校教育の利用、それから一般の利用ということで、ご質問をいただきました。
出雲科学館は、先ほどご紹介にもありましたように平成14年(2002)の7月の開館以来、学校教育での理科学習の充実と市民の科学技術やものづくりに関する知識や技術の普及を目的に事業展開をしています。年間平均約15万人のご利用をいただいています。
学校教育関係の利用は、小学3年生から中学3年生を対象とした小・中学校理科学習をはじめ、その他の学習支援として、特別支援学級在籍者や不登校、あるいは不登校傾向のある生徒を対象にした理科学習を行っているほか、理科担当教諭の研修も実施しているところです。
また、幼稚園には出前事業として、理科体験学習を実施しているところです。
これらの平成26年度(2014)の実績は、小・中学校理科学習が2万790人、その他の学習支援が600人、理科担当教員研修が110人、幼稚園理科体験学習が306人というふうな数字となっています。
一方、一般の利用につきましては、約13万人、このうち生涯学習の実験教室やものづくり教室などへの参加者数は6万8,061人となっているところです。
それから、産業科学技術の学習・啓発事業というようなことでお尋ねがございましたが、これは生涯学習の事業のことという捉え方でお答えをさせていただきます。
開館以来、ロボットやエネルギー、それから宇宙開発等の最先端の科学技術や、その時々の話題になっている科学事象などをテーマとした企画展、それから青少年のための科学の祭典をはじめとするイベント、そしてノーベル賞受賞者や宇宙飛行士などによる講演会や、各種今日教室を開催しています。
これらの平成26年度(2014)の実績は、企画展が9回、イベントが11回、講演会が2回、各種教室は121種類の教室を849回開催しているところです。
また、今年度から島根県にゆかりがありますつくば市在住の科学者・技術者で組織されています「しまね・つくば研究者ネットワーク」、こういったところと連携いたしまして、科学教室の開催を予定しているところです。
今後も、先進的な科学技術に触れる機会を積極的に提供していきたいというふうに考えているところです。

夜間利用に関する要望というものが寄せられていないのか

それから、夜間利用のご質問がございましたが、特に要望としては具体的に、今聞いているわけではございませんけれど、出雲科学館の夜間利用といたしましては、現在、天文教室とか、それから星座観察会を実施しています。昼間に科学教室などに参加しにくい大人を対象とした教室などの開催につきましては、過去にも実績がございまして、ニーズとか内容に応じて検討をしていきたいというふうに考えているところです。
以上、答弁といたします。

 

来場ということでは、かなりの方々が訪れられている施設と考えています。その点は十分に評価をしているところです。
しかしながら、先ほども申しあげましたように、どちらかというと、生涯教育の部分、要するに一般利用の部分に関しましては、積極的な利用というよりも、訪れる場所という捉え方のほうが若干強いのではないかなという捉え方を私はしています。
先ほど紹介いただいたさまざまな教室であったりとか、セミナーであったりというのも、ある面知見を広げる、あるいは趣味の域を広げていく、深めていくというようなことには、大変役立っているのかも分かりませんが、いわゆる産業界から見てあの科学館がどう活用できるのかということに関しましては、これは今のところ残念ながらそういった活用はできにくい施設だと、あるいはそういったことには使えないというような規制がかかっているとも受け取れる施設だというふうに、私は思っています。
キャリア教育、先ほど申しあげました地域の子どもたちを対象に、キャリア教育を進めていくのであれば、それが成長した先、もちろん社会人になった後も、キャリアアップというものは、当然、必要になってくるのであります。
例えば、学生の期間だけ勉強すればそれで就職後は、何の学習をしなくてもよいのかというと、そういうことは決してないわけでありまして、学校にいる期間よりも、もっともっと学習をしなければならないというのが社会に出てからだと思います。
特に、科学技術のことであったり、そういった理科系のことに関しましては、常に新しい学習をしていくということがキャリアアップを実行実現をしていくということにつながると思っています。
そういった意味で、質問の中でも言いましたように、図書館と並ぶように、出雲科学館がそういった産業界からも認められるようなキャリアアップの殿堂となる、そのような使い方が、私は必要だと思います。

例えば、これは今の設置管理条例から全く外れるかも分かりませんが、NPO法人21世紀産業支援センターが、出雲科学館にあってもよいと私は、そのぐらいは思います。
具体的には、創業支援、産業情報提供支援、ビジネスマッチング、そういった場としてあの科学館が利用されるのであれば、それこそ地方創生、あるいは地域活性化に大変役立つ場所になる、そのように考えています。
現在は、どちらかというと、学校教育のほうからのアプローチということで科学館が存在するわけですけれども、決してそれだけにとどまってはならないと思っています。この点、もう一度ご所見をお伺いしたいと思います。

槇野教育長

産業界としての活用といいますか、連携ということでお話がございまして、産業界との連携、あるいはそういった産業界として有効な活用の仕方というものは非常に大事なことだと思っていますし、先ほどご紹介がありましたように、もともと設立の趣旨の中には、そういった産業界との連携といいますか、そちらへ向けての貢献ということも施設の目的として上がっているわけでして、具体的なご提案をいただけば検討してみたいと思いますし、できることできないことあろうかと思いますが、やはりそういった活用の仕方というのも考えていかなければならないということで、今、産業界というお話がございましたけど、具体的には、それは誰とお話をすればよいのか、なかなか分かりにくい面はありますけれど、ぜひ、いろいろな声を聴かせていただいて、できることはやっていきたいというふうに考えています。

大変前向きなご回答をいただきまして、ありがとうございます。
大変、これから明るい方向かなというふうに思っていますので、ぜひ、よろしくお願いします。

これ以上、あえて言うことはないかも分かりませんが、さらに言うならば、今後の公共施設というものの方向性といいますか、そういったものを考えたときに、今後はコンパクトな都市機能というものが求められる、そういった中にあって、公共施設も単独の機能で各地に置いてあるという状況ではなくて、いろいろな機能をあわせ持った状態で施設が存在するというのが、今後求められる状態じゃないかなというふうに思っています。
ですから、先ほど教育長の答弁にもありましたように、現在の使い方から一歩踏み出る状態で考えて発想していただいて、さらに活用していただく知識の殿堂といいますか、科学の殿堂といいますか、そういった存在になるようにしていただければというふうに思っています。

以上で、私の質問を終わらせていただきます。