出雲市議会 平成27年度第3回議会(9月議会)では、一般質問が、平成27年(2015)9月3日(木)・4日(金)・7日(月)の3日間行われ、湯浅啓史6月7日(月)に2つの項目について質問を行いました。

このページは、「ふるさと教育」および「キャリア教育」の考え方と実績についての内容です。
この日の一般質問回答を含む議事録全文(PDFファイル)はこちらをご参照ください。

 

2015年9月議会一般質問

質問項目

  1. 「キャリア教育」について
    1. その意味と具体的な取り組み
    2. アントレプレナーシップ(起業)教育との違い
    3. どのように評価されるべきものか

質問事項:「ふるさと教育」および「キャリア教育」の考え方と実績について

政雲クラブ、湯淺啓史です。今回は、大きく二つの質問をさせていただこうと思っています。
一つ目は、ふるさと教育及びキャリア教育の考え方。そして、二つ目は、出雲科学館のさらなる活用の方法についてです。この二つは、いずれも関連しており、地方創生、あるいは地域の活性化という課題の中で、子どもをどうやって育てていくのか、何が課題であるのかということを掘り下げてみたいということ、そしてまた、その関連の中で、出雲科学館というものを一歩進んで地方創生の核として活用できるような方策はないのか、そのようなことの発想からの質問です。どうぞよろしくお願いいたします。

初めに、ふるさと教育及びキャリア教育の考え方と実績についての質問をします。
3月議会で予算化されました事業の中に、地域活性化、地域住民生活緊急交付金、いわゆる地方創生先行型の交付金を活用した事業として、ふるさとへの夢・活力創生事業があります。
地方創生先行型の事業は、いわば地方活性化の目玉となる事業と認識しています。ふるさとへの夢・活力創生事業は、学校教育の中でふるさとへの夢や自らの目標を持つ子どもを育むふるさと学習やキャリア教育の実施がうたわれています。その後、6月議会で示されました地方創生総合戦略骨子案、また今議会に示されました総合戦略素案の中にも、定住促進を図る事業の一項目としてふるさと学習・キャリア教育の推進が取り上げられています。
地域の将来を担う子どもたちを導く大変重要な事柄と位置づけられているということが推察できます。
しかしながら、それらが具体的にどのような事柄を指すのか、特にキャリア教育という言葉が、どのような教育を指すのか、明確でないように思われます。

余談になりますが、同じように曖昧な言葉ながら大変よく使われる言葉に「まちづくり」という言葉があります。まちづくりという言葉は大変便利な言葉であり、どのような意味を込めることもできることから、あらゆる場面で登場する言葉です。そして、それは人それぞれに受け取る意味が違っています。
ある人は道路整備をすることがまちづくりだといい、ある人は住宅開発をすることがまちづくりだといい、ある人は企業誘致や産業育成がまちづくりだといい、さらに、またある人は公園の整備や公共施設の整備がまちづくりだと。どれもある面は正しいことだというふうに思いますが、まちづくりという一くくりでくくってしまうと議論がかみ合わない。当然のことだと思います。
同様に、キャリア教育、あるいはキャリアという言葉にも、どのような意味を込めるか、これを定義しない限り議論はかみ合わないであろうし、それを行う教育の現場というのは、混乱をきわめるだけではないかと思っています。
一般にキャリアと言えば、その人の経歴、足跡、遍歴といったものを指すと思います。また、国家公務員の一部エリートをキャリアというふうに呼ぶこともあるようです。高等学校では、キャリア教育と言えば、これは進路指導と直結するものと捉えられるように思われます。これも先ほどのまちづくりと同様に、めいめいが異なる意味合いで使っているケースが多い言葉と感じています。

そこで、まずは、キャリア教育について、その意味と具体的な取り組みを明示願います
続いて、アントレプレナーシップ(起業家精神)教育という言葉ですけれども、との違いをお示しください。
これは、教育現場だけではなく、各地でさまざまな講座としても取り上げられ、起業家育成、あるいは起業家精神教育などと呼ばれ、アントレプレナー教育、またはセミナーというような形で進められているように聞いています。
全国各地の小学生を対象とした事業をはじめ、多くの事例があるようにも聞いておりまして、ここ出雲市では、出雲商工会議所青年部の皆さんが、ベンチャーキッズという言葉、というプログラムを開催された事例もあります。
これらの起業家精神育成への取り組みは、キャリア教育とは異なるものなのか、あるいはキャリア教育に含まれるものなのか、見解をお聞かせ願いたいと思います。

さらに、キャリア教育は、教科として取り組まれるものではないというふうに思いますので、その評価が大変難しいように感じています。
そこで、キャリア教育は、どのように評価されるべきものなのか、これについてお答えをいただきたいと思います。

続いて、現在、小・中学校で進められているふるさと教育及びキャリア教育についてです。
冒頭申しあげたとおり、3月議会で予算化をされた「ふるさとへの夢・活力創生事業」は、市内の小・中学校を対象とした事業であります。地域活性化、地域住民生活等緊急支援交付金、いわゆる地方創生先行型の交付金を活用したものです。出雲市の地域、地方創生にとりまして重要な位置づけと感じています。ので、本年度のふるさとへの・夢活力創生事業として実施する、その目的、それから期待される効果は何かについてお答えください。
そして、具体的な取り組み方法と実績としてどのようなものが上がっているのかについて、お答えいただきますよう、よろしくお願いします。

杉谷教育部長

教育部長(杉谷 学君) 登壇 それでは、先ほど質問がありました湯淺議員のふるさと教育、キャリア教育の考え方等についてお答えをしてまいります。

キャリア教育の意味と具体的な取り組み

まず、キャリア教育について、その意味と具体的な取り組みということです。
子どもたちには将来、社会的、職業的に自立し、社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現する力が求められています。キャリア教育でいうところのキャリアとは、人が障害の中でさまざまな役割を果たす過程で、自らの役割の価値や、自分と役割との関係を見出していく、連なり、あるいはその積み重ねとしています。。キャリア教育は、その必要な基盤となる能力・態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育であると捉えています。

本市の小・中学校では、まずは自立の基礎となる各教科の基礎的な学習内容のしっかりとした定着を図ること。そして、道徳の時間、児童会、生徒会活動、学級での係活動や清掃活動などを通して、児童生徒が学ぶことや働くことの意義及び協力することの大切さなどを実感する取り組みを進めているところです。
また、特に中学校におきましては、職場体験学習や、ボランティア活動を学習計画に位置づけて実施をし、勤労観・職業観を養う教育活動にも取り組んでいるところです。

アントレプレナーシップ、起業家精神教育との違い

次に、アントレプレナーシップ、起業家精神教育との違いということでございました。
アントレプレナーシップ教育は、近年聞かれています。起業家教育に近いものではないかと考えています。
起業家教育は、会社の設立や商品開発などを通して、チャレンジ精神や想像力を養い、新たに生み出すおもしろさを体感するなど、将来の仕事や職場で求められる資質を養う実践的な教育活動だと考えています。
このアントレプレナーシップ教育とキャリア教育におきましては、育てようとする力は共通している部分が多いと考えますが、手法において、アントレプレナーシップ教育は、より実践的であるというふうに考えます。

どのように計画され、いかに評価されるものか

次に、どのように計画され、いかに評価されるものかということです。
各小・中学校におきましては、キャリア教育全体計画を作成しておりまして、児童・生徒に身につけたい力を設定しています。キャリア教育は、学校教育活動全てにおいて実施をされるものでありまして、児童・生徒に対する評価という点では、教科学習であれば学習の評価として、特別活動や総合的な学習の時間では、活動の様子を記述することによって評価をしています。
現在、各小・中学校で進めています。ふるさと教育、キャリア教育、そしてこのことと本年度ふるさとへの夢・活力創生事業として実施する目的と期待される効果についての質問でございました。
この事業の目的は、ふるさと出雲のよさに気づいて好きになり夢や目標を持ち、将来出雲に住んで働き、社会に貢献していこうとする子どもを育てることであります。
この事業を展開することにより、子どもたちが将来本市に定住し、本市の発展のために貢献してくれることを長い目で見て期待をしています。

具体的な取り組み方法と実績

次に、具体的な取り組み方法と実績です。
ふるさとへの夢・活力創生事業の中で取り組むふるさと学習・キャリア教育の柱は二つす。
一つ目は、バス等を利用して校外学習をするということです。本市の自然や文化、歴史を学べる場所に出かけたり、農林水産業・商工業にかかわっている人や施設を訪問するなど、出雲のひと・もの・ことについて学ぶこととしています。
二つ目は、講師を招いて話を聞くという学習であります。子どもたちがふるさと出雲への思いと自らの夢を膨らませることができるよう、高い志を持って起業した会社経営者の皆様やUIターンして出雲で活躍している皆様、まちづくりのために仲間とともの頑張っている先輩たちなどから話を聞くこととしています。

これらの事業については、7月までに各小・中学校から計画書の提出がございました。
また、その実績については年度末に報告という形で受けることにしています。
計画書の中から学習内容を見てみますと、バス等を利用した校外学習につきましては、弥生の森博物館、出雲古代歴史博物館などでの歴史学習、小伊津などでの地層見学、商業施設、工場や環境施設の見学、福祉施設での体験活動や公園等での自然体験活動など、多様な計画となっています。
また、講師を招いて話を聞く学習につきましては、歴史、文化、スポーツ活動などで著名な方をはじめ、本市で起業し仕事に打ち込んでいらっしゃる方、地域で産業や伝統芸能を継承していらっしゃる方などを招いての活動が計画されています。

本市では、ふるさと学習として、地域のひと・もの・ことにかかわる学習に、長年にわたって取り組んできておりまして、今後も出雲の子どもたちが、これからの社会を力強く切り開いていけるように、ふるさと学習及びキャリア教育の充実に取り組んでまいりたいと考えています。
また、これらの取り組みが、具体的に言いますと、ふるさと教育及びキャリア教育によりまして、本市に住んでいる児童・生徒がふるさとに愛着を持ち、将来は本市で、自身の夢をかなえていくことを願い、長期的な視点に立って、定住促進に位置づけているところです。
以上、答弁とさせていただきます。

 

大変整理をしてお答えをいただきまして、ありがとうございました。
総合戦略の中では、定住促進の一つの大きな柱として、これに取り組んでいらっしゃるということで、ぜひ、私も同感でございまして、子どもたちが将来的にこの地域で大いに活躍をしていただきたいというところが主眼であろうと思っています。
キャリア教育につきまして、成相教育委員長にお伺いいたしますが、教育委員長は、経済活動だけでなく、さまざまなボランティア活動であったり、もちろん教育委員会のことに関しても、大変活発にかかわっていらっしゃいまして、さまざまな子どもたちとかかわりを持っていらっしゃると思いますが、将来的にこの地域にキャリア教育を受けた子どもたちに戻ってきていただきたいと、そこは多分同じだと思いますが、現在進められているキャリア教育というものが、どういった感じで捉えられているのか、率直なご意見をいただきたいと思います。

成相善美 君教育委員長

キャリア教育についてですけれども、この出雲でいろいろな起業されたりとか、一生懸命頑張ってる方々があったり、会社があったりいろいろあります。そして、ボランティア活動に関してもたくさんの方々が、この間の3.11に関しても、たくさんのボランティアが出かけられて、いろいろ地域のために頑張っていらっしゃいます。
そういった方々のお話を、子どもたちが聞くことによって、自分たちが学校で学んでいること以外に、例えば、仕事であれば、製造して商品になるまでにどれだけの苦労があるとか、そして、私の会社でいえば、野菜をつくってくださる人がいて、それを加工する人たちがいて、そして商品になって出て食べていただけるまでにいろいろな苦労があるわけですね、そういった話をすることによって、とかく子どもたちの中には、できたものをそのまますぐ・・ですね、それから、何でもできている、商品としてできているものとして、そこまでの苦労がどういうものがあったとかいうことが分からなかったり、そういったことがあります。そういったところのお話をさせてもらうことによって、たくさんの人の手によって、一つの商品ができているとか、それから、いろいろやることも、自分一人ではなかなか何もできないけれども、多くの方々と力を合わせてやることによって、一つの共同作業することによって、ボランティア活動にすれば、大きなボランティア活動ができたり、また、そういった体験をしている人たちの話を聞くことによって、自分たちもこういうことをすれば、人のために役に立てるとか、自分ひとりの力ではなくて、多くの友達と力を合わせてやれば、こういった大きな事ができたとか、いろいろなことを、そういったキャリア教育の中で体験していけるものじゃないかと思っています。

ぜひ、このキャリア教育推進をお願いしたいところですが、先ほど、起業家精神育成のところで、若干手法が違うのではないかというようなお話もありましたが、私は、キャリア教育の中にそういった要素をどんどん取り入れるべきじゃないかなという気がしています。

今回のふるさとへの夢・活力創生事業の中では、地域で活躍なさっている方々のお話を聞くというような予算をとられておって、実際になさっているようですけれども、さらに進めて、体験、それも強烈な体験をしていくことが、地域での活動という、将来的な活躍ということにつながるというふうに考えています。

この後、出雲科学館についても質問いたしますけれども、例えば、出雲科学館を会場に行う、科学体験学習、これに起業家精神育成のプログラムを取り込む児童・生徒、それから教育現場、そして産業界、そして地域が連携をする仕組みをつくっていくこと。
さらには、市内のIT業界の皆さんの協力を得て、プログラミングであったりとか、ネット販売であったりとか、3Dプリンターを活用した学習であったりなどなど、また他の業界とも連携などなどを創造していくと、発展的にアイデアが膨らんでいくような気がいたしますけども、キャリア教育に起業家精神的な要素を取り入れるということに関しては、どのようなお考えをお持ちでしょうか、よろしくお願いします。

杉谷教育部長

先ほど申しあげましたように、起業家教育として育てる力と、キャリア教育として育てる力というのは、非常に共通している部分があるということをお話をさせていただきました。
例えば、キャリア教育では、人間関係形成能力というようなものを育てるということで、これは、もう少し各学校では言葉をやさしくした能力にしておると思いますが、これが起業家教育の中では、例えば、コミュニケーションスキルでありますとか、チームワークという言葉になって出てきています。そういう点で、共通している部分が多いかなと思っています。

それから、学校教育の中で、起業家教育の視点をということですけども、特に総合的な学習の時間においては、それぞれ地域の課題を考えるときに、この地域にとって今後どういった取り組みが必要であろうかというふうなところに問題をもって解決をしていくこと自体が、先ほど言いました新たなものを生み出すとかという能力の育成につながってまいると思いますし、最終的にはそれらを考えることが新たな仕事というところの視点にもいくかもしれません。そうしたことで、現在取り組んでいます。各学校での教育活動、あるいは事業の中で、こうした起業家教育の中にある手法を、取り入れていくということは、より学習を深めていく点では有効ではないかというふうに考えています。ので、今後、教育委員会としましても、いろいろな実践の中で、具体的に学校のほうへは示していけたらと思っています。

ぜひ、よろしくお願いいたします。