このページは、出雲市議会議員 湯淺啓史(ゆあさけいじ)ウェブサイトの過去記事アーカイブです。
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出雲市議会の会派:政雲クラブでは、平成26年(2014年)7月31日~8/2日の3日間、福島県会津若松市、静岡県静岡市、静岡県伊豆の国市へ赴き、議会基本条例について、結婚支援事業について、及び、自然農法と農場の実情についての視察研修を行いました。

視察名
政雲クラブ行政視察
視察期間
平成26年(2014)7月31日(木)~7/2日(土)
参加メンバー
出雲市議会 会派:政雲クラブ
板倉 明弘/山代 裕始/坂根 守/松村 豪人/大場 利信/湯淺 啓史
視察先及び調査事項
福島県会津若松市議会:市民との意見交換会と政策形成サイクルについて(議会基本条例他)
静岡県静岡市:結婚支援事業「しずおかエンジェルプロジェクト」について
静岡県伊豆の国市 一般社団法人MOA自然農法文化事業団 大仁農場:自然農法と農場の実情視察について

研修概要

福島県会津若松市
日時
平成26年(2014)7月31日(木)
研修内容
市民との意見交換会と政策形成サイクルについて → 詳細
場所
会津若松市役所
 

会津若松市議会視察

静岡県静岡市
日時
平成26年(2014)8月1日(金)
研修内容
結婚支援事業「しずおかエンジェルプロジェクト」について → 詳細
場所
静岡市役所
 

静岡市役所視察

静岡県伊豆の国市
日時
平成26年(2014)8月2日(土)
研修内容
自然農法と農場の実情視察について → 詳細
場所
一般社団法人MOA自然農法文化事業団 大仁農場

大仁農場での視察研修

福島県会津若松市:市民との意見交換会と政策形成サイクルについて

日時
平成26年(2014)7月31日(木)
場所
会津若松市役所
研修内容
会津若松市議会視察

会津若松市議会では、平成20年6月に議会基本条例を制定し、その基本理念を実現するための方策を実現している。また、会津若松市議会議員政治倫理条例を同時に制定し、市民との信頼関係構築を図っている。

【会津若松市議会基本条例】

基本理念「市民の負託に応えうる合議体たる議会づくりを目指して」

基本理念を実現する方向性

  1. 公平・公正・透明な議会運営
  2. 市民本位の政策決定、政策監視及び評価の推進
  3. 開かれた議会運営の実現
  4. 政策提言と政策立案の強化
  5. 継続的な議会改革への取り組み

【政策形成サイクル】

政策形成サイクルは、市民との意見交換会を起点とし、そこで頂戴した意見については、議会が有するさまざまな個別の意思を一般化・統合化していくという機能を踏まえ、数多くの意見から帰納法的に課題を設定し、市民意見・要望に応えようとするモデルである。

会津若松市議会資料より

会津若松市の政策形成サイクル

【政策形成ツール】

市民との意見交換会

  • 市民との意見交換会は、政策形成サイクルのほとんどすべてのステージに顔を出す極めて重要な制度
  • 開催方法
    ○開催趣旨~市民との活発な意見交換を図る具体的な場
    ○意見交換会の種類~地区別と分野別

広報公聴委員会

  • 広報広聴委員会は、政策形成サイクルのステージのうち、政策研究の段階で重要な位置付けにある。
  • 委員会構成 定数8名。
    ○委員は2人以上の会派から按分を基本。
  • 具体的な運営方法
    ○広報紙の編集と意見交換会の企画立案の2本柱 広報紙(あいづわかまつ広報議会)の特徴

政策検討会

  • 政策討論会は、政策形成サイクルのステージのうち、政策研究に係る問題分析及び政策立案の2つの段階で主要な機能を果たすものである。
  • 政策討論会の定義
    ○課題等への共通認識・合意形成による政策形成
  • 政策討論会の構成
    ○「全体会」+「4分科会」+「議会制度検討委員会」

上記のツール等を効果的に活用し、「水道事業の第三者委託」など具体的な政策に結びつけている。

【議員間討議】

 会津若松市議会では、「従前のような説明員に対する質疑を中心とする審議、審査では、その議決に係る説明責任が十分に果たせない。」という理由から、議員間討議を導入している。

  • 討論の広場としての議会における本来的な必要性
  • 首長との関係からくる必要性
  • 論点、争点の明確化による市民世論喚起の視点における必要性

 「議事内容の事前調査」によって「課題・論点の洗い出し」を行い、議会初日散会後に常任委員会毎参集し「議員間における論点整理・確認」を行っている事は、注目すべきと点と思われる。

 常任委員会における議員間討議の進め方

 議員間討議の進め方

 

結婚支援事業「しずおかエンジェルプロジェクト」について

日時
平成26年(2014)7月1日(金)
場所
静岡市役所
説明
静岡市子ども未来局子ども未来部青少年育成課
    参与兼課長 望月 伸康 外3人
研修内容
静岡市役所での説明

  1. 出雲大社がある出雲市は「結婚支援事業の先進地」という先入観があるのか「まだ事業を始めて間もない静岡市になぜ視察に来られたのか」、「逆に先輩格の出雲市さんからいろいろ教えてほしい」というスタンスであった。
  2. 静岡市では、「結婚支援」施策についてH24年度に若手職員有志により提案され、H26年度から事業化されたようです。出雲市とだいたい同じ頃に事業化されています。
  3. それまでは、少子化対策の原因である「晩産化」対策として、不妊支援や子育て支援に取り組んできた。しかし、H22年度の内閣府調査やH26年度の市独自調査によると、晩婚化の原因の一つに「結婚はしたいが適当な相手にめぐり合わないから」があり、結婚支援に本格的に着手することにした。
  4. H26年度の事業内容:別紙「しずおかエンジェルプロジェクト事業概要」
    ~静岡市の持つ豊富な資源(自然、文化、食など)を活用した婚活イベントの実施~
    • 婚活イベントは公共施設の新たな活用策としての可能性を有している。
    • 「結婚支援」は出会いの場の提供とともに一体的、継続的なサポートが必要である。
      上記(1)、(2)から行政主体の婚活イベントを開催する。
    • 民間事業者や地域との連携により、まち全体でカップルを祝福する気運の醸成を図る。
      ・中小企業社員への婚活機会の提供 ・サービス、小売業 ・ブライダル産業 ・製造業、農業(結婚用祝儀のお茶) ・観光。旅客運送業
  5. 行政側の取り組み
    • 婚姻届の様式のデザイン
    • 市長による「縁むすび見届書」
    • 久能山東照宮宮司による「婚姻見届書
    • 市民課前の記念写真を撮影するスペースの設置
    • 「先進地」出雲市役所顔負けのパーフォーマンスを実施している。
担当係長から説明を受ける   写真右:市民課前にある記念写真の撮影スペース

担当係長から説明を受ける
(議会事務局の応接室にて)

記念写真の撮影スペース

市民課前にある記念写真の撮影スペース

自然農法と農場の実情視察について

日時
平成26年(2014)8月2日(土)
場所
静岡県伊豆の国市 一般社団法人 MOA自然農法文化事業団 大仁農場
研修内容

大仁農場での視察研修

  1. 当日は農場見学の前に、自然農法について説明を受けた(写真)。
    それによると、自然農法は土づくりが肝要で、「物理的方法」「生物的方法」「化学的方法」があり、最も重視しているのは「物理的方法」で、上下の土の入れ替えなど土質学に従って有効管理、有効活用を図ることが必要であるとの説明であった。
  2. ここの農場は、山や丘陵地を開拓してできたものであり、農地として利用するには「生物的方法」や「化学的方法」により、土壌を改良することが必要と考えていただけに意外であった。その趣旨は、自然を改良せずに、そのままの姿で利用し、手を加えるのは上下の土の入れ替え、水路の設定程度である。創始者である岡田茂吉氏の思想に従ったものであう。
  3. 農場見学
    農場は山の丘陵地を開墾したもので、整然と区画・管理されていた。また、農場の近くに牛舎があり、餌はここの農場の牧草で、自然農法でできた牧草であるため、牛糞の臭いもほとんどないとのことである。イノシシ等の有害鳥獣被害はあり、それへの対策は必要とのことであった。
  4. 自然食品の昼食
    昼食は、自然農法で栽培された食品を施設内の食堂で調理したもので、1人当たり2200円で割高感はあった。味の方は、自然食品だから旨いとかは感じなかった。付近の住民の方は良く利用されているようである。
  5. 感想
    大仁農場の自然農法については以前から聞いており、また多くの政治家も訪れている。政雲クラブで今回初めて視察したが、是非とも出雲市行政として取り組むべきという強い感銘や印象は感じられなかった。

農場の見学大仁農場