思言敬事

第1号の会報をお届けした後、「思言敬事」の読みや意味についてのお問い合せをいただきました。
印を贈っていただいた方に、改めてその意味などをお聞きしたところ、丁寧なご回答をいただきました。
以下いただいたメールを引用してご紹介します。

「思言敬事」  言を思い 事を敬む(げんをおもい ことをつつしむ)

意味はおおよそ以下の通りです。

この四字で熟したいわゆる故事成語(四字熟語)ではありません。ただ、二字ずつで次のような意味を表します。

  • 「思言」……自分のことばに思いを致すこと。
    特有の古典に出てくるというのではなく、中国の古典ではよく使われる言葉です。
  • 「敬事」……自分の行いを慎重にすること。
    『論語』学而篇(がくじへん)に孔子の言葉として、次のようにあります。
    「千乗(せんじょう)の国を道(みちび)くには、事を敬して信、用を節して人を愛し、民を使うに時を以てす」
    (意味)大国の政治を担当するときには、事業を丁寧にして人民と信頼関係を結び、金品は節約に心がけて、人々を愛し、人民に労役を強いるときには、適当な時節に心がける。

この言葉を知ったのは、今年(2013年)の1月15日、上海博物館を訪問したときです。
上海博物館には、古代から清代までの印章を集めた展示室がありますが、その中に、秦系印として、この印が展示されていました。(写真参照)

上海博物館に展示されたていた印1

上海博物館に展示されたていた印1

上海博物館に展示されたていた印2

上海博物館に展示されたていた印2

つまり、今から2000年前、秦の始皇帝時代の役人が使っていた印です。
始皇帝といえば暴君のイメージが強いのですが、役人は、このような言葉を肝に銘じて精勤していたのでしょう。